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2016.07.12

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コラム

自立するとはなにか

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23歳にして初めて一人暮らしをして、家事のあれこれが忙しかったり楽しかったりと充実しています。

洗濯物からこれまでと違う洗剤の匂いがして、ああ、自分で生きてるな、と感じます。

そんな中、ふと「自立ってなんだろう」と思いました。

 

芦田宏直氏の「2006年度入学式式辞 ― 自立してはいけない」という記事があります。

内容を要約すると、

「アメーバやメダカや馬は生まれてすぐ自立する。自立が早い動物ほど、つくりは単純。人間は生物的に早産で、親なしには生きられない。そして高度な文明を生きる現代の人間は死ぬまで早産状態であり、社会によって育てられる。人間にとって自立は美徳ではないし、自立しようとするのは自らをアメーバやメダカの状態に追い込むことで、信用も投資もされない。独り立ちすることよりも社会と繋がりを作ることが重要。」

 

自立なんてしなくていいんだよ、という事です。これにはつい共感してしまうところがあります。

実家で食わせてもらってた頃は、例えば寝る前に人間関係の事とか、キャリアの事とか、愛についてだとか、生きる事とか、漠然と大きなものを夢想していました。

それが今では「あの冷蔵庫のオクラはあと何食分いけるだろう」に変わりました。

生活に時間的・金銭的な余裕がなくなると、未来のことより明日のことを考えるようになります。生きるために食べ、食べるために働く。まさしく僕はメダカ・アメーバの方へ行こうとしているわけです。

そういう意味では、自立して自分のパワーを下げるのはナンセンスだなあと思ったりもします。

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しかし一方で、自立して貧乏暮しをするというのも悪くないです。

「冷蔵庫のオクラ」を気にする生活も、これはこれでクリアだなぁって思います。

それに「冷蔵庫のオクラ」は無言の説得力を伴って僕に栄養と充足感を与えてくれます。

こういう小さい事に喜べるようになるのは楽しいです。

貧乏人に快楽は無いけど、幸福は味わえるわけです。

 

ところで、本当の意味での「自立」なんてあるのでしょうか。

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映画「イントゥ・ザ・ワイルド」をご存知ですか?

主人公クリスは(※ネタバレあり)、超裕福で超エリートで何事にも恵まれているそんな自分の人生に嫌気がして、すべてを捨ててアラスカで自給自足生活を始める。で、最後は飢えに飢えて毒食って死ぬ、そんな話で、実話のようです。

 

「自分の生きたい人生を生きた」っていう意味では良いエンドですが、

「人は文明に頼らずひとりだけで生きようとすると、広大な自然の中でいとも簡単に死ぬ」っていうシンプルな事実を無視することはできません。

 

この状況は少しおおげさですが、でも自立するって、本来はこういうことだと思います。何かに依存するのは良くないことですが、何もかも自分で背負って立つのはまさしく重荷です。みんなで様々なものをシェアしていくのが一番ラクなんじゃないでしょうか。

 

だから「自立しろ」というより、「依存するな」というのが適切だと思います。親離れというのも、「親に依存しなくても生きていける」ためには必要なイベントだと思います。

 

しかし、「自立している人は男女関係なく格好良い」とも言われますよね。それも分かります。サバイバルできる人間を生物的に有能だと感じるからでしょうか。

 

「イントゥ・ザ・ワイルド」で最期クリスは「幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時だ」と涙ながらに呟く。はい。分かち合える誰かがいること。人との繋がり。現代を生きる我らにとって、言うまでもなくデカいです。

一人で誰も知らない離島に来ると痛感します。色んな人がサポートしてくれて本当に助けられています。「冷蔵庫のオクラ」にしても、見えない人たちの様々な働きがあって今ここにあるわけです。

誰にも会わず自分のみの世界で生活しようとしたら、それは理想の生き方とは言えません。

 

自立とはなんなんでしょう?

人に依存せず、ほどよく頼るのが、一番良いバランスです。自立しようと動くより、人との繋がりを求めて外へ出るのが良いでしょう。

結局は程度の問題ということです。

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