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2017.06.5

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コラム

ラーメンこそが人生

俺とテリーが、中学の時からずっと行きまくっていたラーメン屋がある。

初めて食べに行った時に看板の名前を読み間違えて以来、そのラーメン屋を「岩手」と呼んでるんだけど、岩手は数え切れないくらい本当によく行った。

濃厚な豚骨系、だけど濃すぎない、どこかアッサリしてる。めちゃくちゃ美味しい!10代だった俺らの多感な舌を長いことジャックし続けた。よく一口目のスープをすすって「この世で一番美味い食い物だ」なんて言ったものだった。

ラーメン屋にしては静かで暖色な雰囲気も、がっつかない接客も、それから店主の趣味が色濃く出ていたであろうホールの子たち、みんな良かった。

ラーメン一杯に対して、俺らは必ず2~3時間テーブル席で粘った。カフェかよ。なのに一度も追い出されたり急かされたりしたことはなかった。

長居させてくれたおかげで、俺らは話という話を煮詰めた。

旅の計画を立てたり(その旅の帰りは決まって岩手がゴールになる)、あらゆる本音をぶち撒いて、他所じゃ伝えにくい言葉とか思想を産み出しまくった。そういうのは今も俺らの根本にある。

話の内容は店の人にダダ漏れだったと思う。でも、きっと微笑ましく聞いていただろう。男二人14歳の無知で無垢でズル剥けなソウルが年を追うごとにちょっとずつ成長していく様を、彼らは聞くことで親もしくは親以上に知っていることになる。楽しいはず。見守ってくれていた。はず。(実はクソ客って思われてたらどうしよう。)

だから俺らにとって岩手は単なるラーメン屋ではなく、大切な「学び舎」だった。

テリーは食うスピードが遅かったから、会話がヒートアップしていると豚骨ラーメン大盛りを食い切るのに1時間以上かかっていた。

当然ラーメンは冷める。そうなると豚骨スープの塩っぱさや脂っこさが増すのか、この世で一番美味い食い物と評していた俺らの岩手のスープは魔法が解けたかのようにぜんぜん違う風味に変わってしまう。それはしばしば俺らの間で「ゲロ」と呼ばれた。よく出禁にならなかったな・・・。

ラーメンを美味しく食える時間は短い。この当たり前で単純な事実が、とても大事なことを気づかせてくれた。

ラーメンは人生と一緒なんだ。

ラーメンを美味しく食える時間は有限。人生も有限。その中で輝いていられる時間はもっと有限だ。

美味しいラーメンに出来る限りの思いを馳せて、それがゲロになってしまわないように、どれだけ美味しく味わえるか。俺らに出来ることはそれだけだ。

 

地元を出てからは岩手に行ってないから、またあそこのラーメンを食べたいけど、もうじきテリーが石垣島に来てくれる。だからこっちで俺らの「岩手」を作ってやろうと思う。

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