ある日また例によってアテネにある地下室を宿として利用していた時のこと。ホステルの中心に宿泊者共用の吹き抜けのテラスがあるのですが、そこに居合わせた人たちと話し込むことがありました。
フランスでラジオDJをやっている老婦人や、東欧に駐在中の漢臭いアメリカ人や、世界1周中のウキウキなトルコ人や、この後一緒にデルフィに行くことになるペルーとメキシコのハーフの男などと一緒に、なかなかコアな話、例えば「自分なりの世界の認識」だとか「資本主義とどう向き合うか」みたいなことについて語り合って盛り上がっていました。
夜中に始まって明け方までワイワイやっていたのですが、中でも特に気があったハーフの男が、朝にアテネから出るバスでデルフィにあるアポロン神殿に行くということで、俺も一緒にことになりました。流れに任せて動いている俺は面白そうなことには、おっしゃ行くか!って感じで即断です。笑
彼はメキシコで5000人を抱える労働組合のトップをしているというかなり強めな人なんですが、もし日本で同じような肩書きや立場の人と会っていたら俺は敬語になるだろうし多少なりとも萎縮もすると思います。だけど、旅中に会った異国人は特に、肩書きも何も関係なく、英語で敬語もなく、フラットに相手と付き合えて、根本的なところで繋がりやすい。
アテネのバスターミナルを出発し、寝ていなかった俺ら2人はバスの中では爆睡。
アテネから3時間、バスが到着し降りるとそこはパルナッソス山の中腹で、目の前には1939年の映画「オズの魔法使い」の映像を彷彿させるような靄がかって幻想的な景色が広がっていました。
デルフィ遺跡(Delphoi、Delphi、デルポイ、デルファイ、デルフォイとも)はパルナッソス山の西南麓に位置し、ギリシャの首都アテネから西北へ122kmの距離にあります。古代ギリシャでは世界の中心とされている聖域で、中でもアポロン神殿(Temple Of Apollo)は強力な神託(神のお告げ)を得られる場所とされていました。
荘厳な山麓に在るデルフィ遺跡(と奴)
デルフィ遺跡内の古代スタジアム(と俺)
デルフィ遺跡内の古代競技場
自然の雰囲気もここ特有で刺々しい生命力を放つ
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そんなデルフィ遺跡を彼と共に探索しました。ルートを外れて自然の中に入っていったり、アポロン神殿のそばで昼寝をしたり。
夕方のバスで再びアテネに戻ったのですが、ここである事態が起こります。
俺らはバスの一番後ろの横並びの席の両端に座っていました。俺は速攻寝たのですが、何かが自分の横で起こっている気配で目を覚ましました。
目を向けると、暗いバスの車内でそいつがギリシャ美女とペッティングし合っているのです。しかもうまいこと首に巻いていた薄手のスカーフを使ってカモフラージュしていて、俺は寝たふりをしながら「なんて官能的な光景なんだ」とフィニッシュまで観察していました。
アテネに到着しバスを降りると美女は彼とハグしてお別れを済ませ、さらに衝撃的なことに同じバスに乗り合わせていた両親の元へ戻って行きました。家族旅行中だったんかい。
「一体何が起きたの?」
と彼に聞くと
「俺もよく分からないけどなるようになった。一つ言えることは俺は抜いてもらったっていうことだ。」
と言っていました。
アポロン神殿で強力な何かを神的な何かからもらったことで起きた何かなのでしょうか。
面白いやつといると面白いことが起きるもんだねぇ。
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